I Have to, I Want to, I Can

人には原風景、もしくは、原体験がある。

人が自分の原体験と考えていること、あるいはその人のライフワークとしてること、それは周囲から見れば違うものこそがその人の軸となっているものかもしれない。

最近、仕事先からの帰り道でクルマを運転しながらTVドラマの音声だけ聞いていて、男性役の俳優が「Have toで生きている奴はダメだ、Want to で生きろ」というメッセージを結婚退職する予定の主人公の女性に伝えるシーンを聞いて熱いなと思った。関西テレビの『リアルクローズ』というドラマであるとWebで調べて知ったが、このTV局の掲示板への書き込みを見て少し驚いた。ほとんどが小学生の女の子達であった。彼女達は小学生のころから大人の女性が社会で仕事する際の葛藤を描いたドラマを見ているのか、という点にである。もちろん、コメントは出演者の「○○ちゃんの服がカワイイ」といったコメントが多いのだが、製作者や脚本家のメッセージは少なからず彼女達には届いているんじゃないかと思った。

5年前に私はある仕事を嫌々やっていた。やればやるほど、ある支社とその取引先の仕事が減る、その人達の仕事を奪うような仕事であった。仕事の方針も決まっており、また、私の所属部署も不景気でまったく仕事がなかったことから、とにかくその仕事を進めていった。支社からやってきた人は外国人であり、その人と夕食を共にしたときも、さも当然といった様子で引継ぎを進めているだけさという雰囲気であった。何年もしてからその支社の負担が大きすぎて事業が長年赤字であり、その支社を廃止したことと景気回復とがきっかけとなって黒字転換したことを知った。

私にはやらねばならないこと、やりたいこと、できること、できないことがある。いやでも、このドラマの"Have to"と"Want to"はいいメッセージだなと思う。それを聞いた人が思考の鎖から開放されて欲しいと思っている。