現場の意見を無視すると会社はつぶれる。

2年前に5万5000台のリコールを出したLEXUS ESで、同一原因であるフロアマットで米国人警察官家族が亡くなってしまった。
米国人からしたら、いや米国人じゃない私でも2年前にリコール出して修理済みのはずが、なぜ直っていないの?と疑問に思うよ。米国が民主党政権トヨタへの風当たりがつよくなったとか考えるのは大間違い。もし日本でヒュンダイが同じように2回同一箇所でリコールを出したら日本市場では商売できなくなるはずだ。
ワンストライク目は大目にみてもツーストライクはアウトと見られているのではないか?この期に及んでまだリコールじゃないと言い張るのならば、日本の自動車会社の社員の認識は、D.ハルバースタムが「覇者の驕り」で描いた80年代のころとちっとも変わっていないことになる。海外の現地支社がどれだけ要求しても本社が認めないという怠惰があったのではないか。
適地適車というならば、米国人が全天候型のフロアマットなど日本人の目から見たら多少いい加減なものも含めて使いたがるということを前提にした設計じゃないと意味が無い。

http://www-odi.nhtsa.dot.gov/recalls/recallsearch.cfm

2007年9月26日のLEXUS ES350のリコール(5万5000台)より

Summary:
CERTAIN ALL WEATHER FLOOR MATS (AWFM) SPECIFICALLY SOLD AS AN OPTIONAL ACCESSORY FOR USE ON THE 2007 AND 2008 MODEL YEAR LEXUS ES350 AND TOYOTA CAMRY VEHICLES. THE AWFM INCLUDES TWO GROMMET HOLES AND RETAINING HOOKS (CLIPS) TO SECURE THE MAT TO THE VEHICLE'S CARPET. IF THE AWFM IS NOT SECURED BY ITSELF OR IF IT IS PLACED ON TOP OF AN EXISTING CARPETING FLOOR MAT, THE MAT COULD MOVE FORWARD DURING THE VEHICLE USAGE AND IT MAY INTERFERE WITH THE ACCELERATOR PEDAL.
Consequence:
THE ACCELERATOR PEDAL MAY TEMPORARILY BECOME STUCK IN A PARTIALLY DEPRESSED POSITION WHEN RETURNING TO THE IDLE POSITION. IF THIS CONDITION OCCURS, IT MAY INCREASE THE POSSIBILITY OF A CRASH.

サマリ:
オプションアクセサリーとして販売されていた全天候型フロアマットが使用中に前方に移動すると、アクセルペダルと干渉する可能性がある。
結果:
アクセルペダルをアイドル位置に戻す際に一時的に中間状態で踏んだ状態でスタックする可能性がある。この状態が発生すると、クラッシュにつながる可能性がある。

追記: 2009/11/15
トヨタはマットではなくペダルの無償修理を決断した。信用を守るために必要な決断だと思う。本文の誤字をいくつか訂正した。